シェムリアップ中心から離れた郊外にも、見ておきたい遺跡があります。
崩れた廃墟の遺跡ベンメリアと、水に浮かぶ村があるトンレサップ湖です。道中も小さな発見がある2つの観光地をご紹介します。
ベンメリア
ベンメリアに向かう途中で
ベンメリアに向かう途中にある家々は「高床式」、カンボジアの伝統的な木造住宅です。雨季の時期に水没することを避けるために床を高くしている、と思っていたんですが、違いました。
地面より高い場所に住んでいると幸せになれる、という昔からの言い伝えがあるそうです。
現実は、暑さをしのぐため(昼間は家の下が日陰で涼しい、夜は風が通って家の中が涼しい)のようです。電気のない場所で生活する知恵、なのかもしれませんね。
幻の遺跡ベンメリア
アンコール・ワットから東に約40㎞離れた、ジャングルの中の廃墟「ベンメリア」は現在も修復されないまま森の中にひっそりと残された巨大寺院遺跡です。
ベンメリアとは「花束の池」という意味で、寺院のつくりがアンコールワットに似ているため「東のアンコールワット」と呼ばれています。
アンコールワット建造より前の11世紀後半に建てられ、ポルポト軍撤退の際に回廊を破壊され、修復できないほど崩壊した遺跡は、廃墟なのに見る人の心を惹きつけます。
苔むした瓦礫の中に、ナーガ(蛇の神様)がきれいな状態で残っていました。
静まり返った中に、取り残され、時間が止まっているような感覚。板張りの見学通路が作られていて、勝手に遺跡内に入ることはできません。探検気分で歩いていきます。
山積みになった瓦礫を覆いつくすかのように生える木々が、いつか遺跡を飲み込んでしまうかもしれません。崩壊が進む遺跡の中の、自然の生命力を圧倒的に感じことができる場所です。
※ベンメリアはアンコール遺跡群の入場チケットでは入れません。別途にチケットを購入してくださいね。
トンレサップ湖
トンレサップ湖に向かう途中で
シェムリアップの中心地から南へ約10km、車で30分くらいのところにある、トンレサップ湖に向かいます。
途中のお店や道端で、ペットボトルに入った黄色い液体が売られているのを目にしました。これらは飲み物、ではなくて、ガソリン!
車もバイクも、ペットボトルに入ったガソリンを自分で入れるんだそうで、モノによっては質が悪くバイクが動かなくなることもあるそうです。
道端では、竹筒を炭火で焼いている屋台も並んでいました。竹筒の中にもち米と小豆、ココナッツミルクを混ぜたものを詰めて3時間ほど焼いた、クロランと呼ばれるスナックです。
竹筒を割って、薄皮をバナナのように剥いて食べるんです。ほんのり甘くてもちもちのご飯は、素朴な味でとってもおいしかったです。見つけたらぜひトライしてみてくださいね。
トンレサップ湖クルーズ
東南アジア最大の湖「トンレサップ湖」、雨季には乾季の約4倍まで面積が増える湖は、あまりの広さにまるで海のようです。湖畔にはマングローブ樹林と高床式の家が立ち並んでいます。
トンレサップ湖の水上生活者も世界最大規模、百万人以上の人たちが、漁業を中心に水上生活しています。ここにはベトナムからの難民も多く住んでいます。
学校や市場、教会も湖の上、ボートで行き来する人たち。ボートの上の休憩所では、ちょっと小さめの淡水ワニがうじゃうじゃいました。ワニ革製品になったり、はく製で売られたり・・・?
湖で捕れたエビの蒸したものがありましたが、ミルクコーヒー色の湖で捕れたエビに、びびって手が出ませんでした。
10年前までは世界一の漁獲量を誇る湖でしたが、水上生活者の激増と、生活排水や汚物を垂れ流すことによる水の汚染によって、漁獲量が減ってきています。
カンボジア国籍を持たないベトナム移民は、土地の所有権が認められず、水上に住むしかないし、ポル・ポト政権の迫害から逃げて、住み慣れた土地を失ってしまった人たちもいます。
衛生面の問題で命を落とす子供たち。雨季に増える毒蛇にかまれたり、嵐で湖に落ちたり、命の危険と隣り合わせの生活・・・近い将来、彼らが地上に住めることを祈らずにはいられません。
さいごに
発見当時のままの状態になっている「ベンメリア」と、人々のたくましさを感じることができる「トンレサップ湖」は、シェムリアップ中心街から離れていますが、見ておきたい観光地です。
トゥクトゥクをチャーターするか、現地ツアーに参加して、ぜひお出かけくださいね。新たな発見があるかもしれませんよ。
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