鳥取砂丘は風で運ばれた砂が堆積してできた海岸砂丘。季節ごとに異なる表情を見せ、一度訪れただけでは決して全てを見尽くせない場所です。
鳥取砂丘をただ「見る」のではなく、雨の日が持つ静寂の美しさ、風の強い日が生み出す砂丘のダイナミックな変化など、季節や天候を味方につけた「体験」をしちゃいましょう。
この記事では、鳥取砂丘の四季折々の魅力を深堀りし、雨や強風といった天候に左右されがちな旅の悩みに対しても、具体的な対策と準備をご紹介します。
いつ行ってもベストシーズン!鳥取砂丘で最も美しい瞬間に出会えるように、万全の対策で出かけましょう。
鳥取砂丘の春:花と緑に包まれる砂の絶景
春の鳥取砂丘は比較的人が少なめなので、ゆったりとした散策が楽しめます。特に朝早くの時間帯は、人がまばらで、のどかな雰囲気の中、砂丘の美しさを堪能できます。
春は、マリーゴールドやポピーなど、色とりどりの花が砂の上に絨毯のように広がります。風に揺れるポピーの赤は、砂の白とのコントラストが鮮やかで、思わず声が出ちゃうくらい魅力的。
春はまた、緑の新芽が砂丘に彩りを加えます。新緑が砂丘を包み込む様子は、自然の力強さと優しさを同時に感じさせます。
この時期にしか見ることのできない景色を、ぜひ肌で感じてくださいね。
春のおすすめ観光ルート
春(3月~5月)は砂丘が新緑で覆われ始め、温暖な気候になるため、散策に最適です。
- 散策ルート:砂丘のメインエリアをぶらりと散歩して、生き生きとした植物や花を楽しみましょう。特に、「馬の背」と呼ばれる砂丘の頂上からの眺望は絶景です。
- パラグライダー体験:暖かい風を感じながら、春の爽やかな空の下でパラグライダーに挑戦するのもおすすめです。
散策中には、様々な種類の草花に出会えます。昼間は野花を見ながらのトレッキングを楽しみ、夕方には砂丘でのサンセットを。春の砂丘の深い魅力を満喫することができますよ。
春の天候との向き合い方
春の鳥取砂丘は、比較的穏やかな天候が多いですが、突然の雨や強風に見舞われることも。そんな時は、砂丘の景色が一変し、また違った美しさを見せてくれます。
雨が降ることで砂の色が濃くなり、砂丘の形がよりはっきりと見えるようになります。強風の日は、砂丘の形がリアルタイムで変わる様子を観察できる貴重な機会。
ただし、そうした日には防風・防雨対策をしっかりと行い、安全に楽しんでくださいね。
鳥取砂丘の夏:青い空と広がる砂海、そして夜の星空
夏の鳥取砂丘は、猛暑時には50度を超え、裸足やサンダルで歩くとやけどをしてしまうことも。日陰のない砂丘はまるで砂漠の上にいるようです。
夏の日中は暑くなるので、早朝か夕方以降のアクティビティがおすすめです。
砂丘海岸での遊泳は禁止されているので、泳がないようにしてくださいね。
夏のおすすめ観光ルート
夏(6月~8月)は砂丘でのアクティビティが充実する季節。
パラグライダーで空を飛び、砂丘の景色を上から楽しむも良し、砂滑りや砂上のバギーで砂の海を駆け巡るのもおもしろいです。
- 砂の美術館訪問:毎年テーマを変えて展示される砂の彫刻を見ることができます。夏は特に新しい展示が始まるタイミングなので、最新の作品を楽しむことができます。
- サンドボードやサンドスキー:海外のデザートアクティビティを鳥取砂丘で体験できます。砂の上を滑る爽快感は夏ならでは。
- 星空観測ツアー:夏の夜空には天の川を含む数えきれないほどの星が輝き、専門のガイドが宇宙の不思議について解説してくれます。砂丘から見る満天の星空は、忘れられない思い出になるはず。
夜は冷え込むことがあるので、羽織るものを持っていくようにしてくださいね。
夏の風との向き合い方
夏の鳥取砂丘では、風が強くなる日も少なくありません。風が強い日は、砂が舞い上がり、砂丘の景色がよりダイナミックに感じられます。
しかし、砂が目に入らないように保護眼鏡を用意するなど、準備が必要です。
また、夏の強い日差しも要注意。日焼け止めや帽子、こまめな水分補給を忘れずに、熱中症にならないように気をつけてくださいね。
鳥取砂丘の秋:穏やかな気候とゴールデンサンセット
秋の鳥取砂丘は、鳥取砂丘を訪れるのに最適な季節。暑さも和らいで日中も過ごしやすく、長時間の散策も快適。穏やかな気候の中、砂丘の美しさを心ゆくまで楽しむことができます。
散策をしながら砂丘の景色と併せて、秋の空の広がりや、夕暮れ時の柔らかい光を放つゴールデンサンセットなど、写真撮影にぴったり。
この時期の砂丘は、特に日没時に見せるゴールデンサンセットが有名で、訪れた人々に深い感動を与えます。
秋のおすすめ観光ルート
秋(9月~11月)は気候が穏やかになり、砂丘の景色も金色に染まり始めます。
- ラクダライド:涼しくなった季節にラクダに乗って砂丘を歩くのは、非日常的な体験です。特に秋の夕日と共に楽しむラクダライドは格別です。
※ラクダライドは約5分のコースを1周します(年齢や体重制限なし)。土日祝日、学校の長期休暇、ゴールデンウィーク、シルバーウィークは、楽だとの記念撮影のみ営業。 - 星空観察:秋は空気が澄んで星がよく見える季節です。砂丘での星空観察会も開催されることがあるので、参加してみるのもおすすめです。
風に乗って運ばれる砂の音や、砂丘を渡る風の動きを感じ取りながら、秋特有の静寂と美しさを堪能してくださいね。
秋の天候との向き合い方
秋は天候が安定しており、鳥取砂丘観光には最適な時期ですが、日中と夜間の気温差が大きくなることも。特に日が落ちた後は、急激に冷え込むことがあるので、温かい服装での準備が必要です。
また、秋雨を避けるために、事前に天気予報をチェックし、雨具を携帯するようにしてくださいね。
鳥取砂丘の冬:雪に覆われた異世界へ
冬の鳥取砂丘は他の季節に比べて訪れる人が少なく、静かに砂丘を楽しむことができます。雪が降った後は特に、幻想的な景色を楽しめるので、天気予報をチェックしてみてくださいね。
雪に覆われた砂丘は、静寂と神秘の世界。冬に降り積もる雪は、鳥取砂丘の景色を一変させます。他のどの季節にも見られない特別な美しさを見せてくれます。
この時期の鳥取砂丘は、まるで別世界に足を踏み入れたかのような感覚に包まれます。
冬のおすすめ観光ルート
冬(12月から1月)の鳥取砂丘はとっても寒いですが、その分独特の美しさがあります。
- 日の出観賞:冬は空気が澄んでいるため、日の出がとっても美しいです。早起きして、砂丘からの日の出を見るのはおすすめです。
- 冬景色の散策:霜や雪が降った砂丘は幻想的な景色を見せてくれます。厚着をしての散策は冬ならではの経験です。
雪が積もる冬の鳥取砂丘では、雪の上を歩くサンドボードや、砂丘特有の美しい雪景色を背景にした写真撮影など、普段とは違った冬ならではの体験が待っています。
ただし、冬の砂丘は特に寒く、風も強いことが多いので、防寒対策は万全に行ってくださいね。
冬の天候との向き合い方
冬の鳥取砂丘で最も注意すべきは、寒さと風です。厳しい冬の寒さを和らげるためには、防水性と保温性に優れた服装が必要です。
また、風が強い日は、顔や手を保護するための対策も重要になります。温かい飲み物を携帯するなど、体温を保つ工夫もお忘れなく。
鳥取砂丘の雨と風の強い日の準備と注意点
鳥取砂丘をめいっぱい楽しむためには、天候に合わせた準備が必要です。
雨の日も風の強い日も、それぞれの天候が生み出す独特の景色があります。どんな天候の日も万全の準備で鳥取砂丘の魅力を楽しむことができます。
雨の日の鳥取砂丘
雨の日の鳥取砂丘は、普段とは違った静かで幻想的な雰囲気。雨に濡れることで砂の色が濃くなり、砂丘の細かな形状がよりはっきりと浮き出てきます。
また、雨音と共に砂丘を歩く体験は、独特の静寂と落ち着きを感じさせてくれます。サラサラの砂よりも濡れた砂丘の方が歩きやすくなりますか、滑って転びやすくなるので注意してくださいね。
【準備と注意点】
- 防水性のあるレインコートやレインブーツ(シューズカバー)の着用がおすすめ。
- 荷物はコインロッカーに入れた方が安心。
- 滑りやすくなった砂丘での歩行に注意する。
- カメラなどの機材は、雨から守るための対策をする。
風の強い日の鳥取砂丘
風の強い日は、風によって砂が動き、砂の上に波のような起伏ができます(砂紋)。場所によって砂紋の模様が違うので、自然の力強さを感じることができます。
けれども、とっても細かい砂が飛んでくるので、目が開けてるのも大変。目を守るメガネや、髪に砂がつくのを避ける帽子があると安心です。
【準備と注意点】
- 風で飛ばされないよう、帽子はしっかりと固定するか、フードをかぶるのがおすすめ。
- ゴーグルやサングラスで目を保護する。
- 首元から砂が入るのを避けるために、ネックウォーマーがおすすめ。
- 口の中に砂が入るのを避けるためにマスクをする。
- 荷物はコインロッカーに入れておいた方が安心(砂が入り込むため)。
- 風が体力を奪うことがあるため、無理をしないようにする。
天候に左右される鳥取砂丘での観光ですが、その日その日の天候に合わせた準備をすることで、どんな時でも鳥取砂丘の魅力を最大限に楽しむことができます。
鳥取砂丘では靴カバーがあれば安心
鳥取砂丘を歩いていると細かい砂がどうしても靴の中に入ってしまいます。
鳥取砂丘ビジターセンターと鳥取砂丘フィールドハウスには、足洗いシャワーが設置されていますが、靴下を脱いで洗うには躊躇する季節も。そんな時は靴カバーがあると安心です。
お土産物屋さんで不織布タイプとビニールタイプの「シューズカバー」が販売されているんですが、できればヒザくらいまでの長さがあるロングタイプがおすすめです。
春や秋ならいっそのこと、裸足やビーチサンダルの方がいいかもしれません。海岸沿いへ下りなければ、裸足でも歩けます。足を洗ったときに拭くタオルを持って行くようにしてくださいね。
鳥取砂丘のコインロッカー
鳥取砂丘周辺(鳥取砂丘パークサービスセンター、砂丘会館、リフト乗り場など)にコインロッカーが用意されています。
鳥取砂丘の砂の粒はとっても細かいので、(特に風が強い日は)カバンのチャックをしていても砂がカバンの中に入り込んでしまうことも。
カバンカバーをつけるか、コインロッカーに預けて砂丘内に持ち込まないようにした方が無難です。身軽なら、砂に足をとられて転んでしまっても、手をつくことができて安心ですよ。
らくだやにはお土産販売の横に休憩所があり、ロッカーも設置されています(長くつのレンタルもあります)。ベンチもあるので、砂丘に行く準備がしやすいです。
リフト乗り場にあるロッカーは、ロッカーの中にまで砂が入り込んでいて、誰も使っていませんでした。お土産物屋さんにあるロッカーの方がキレイでおすすめです。
雨や風の日の楽しみ方
雨や風の日の鳥取砂丘は、いつもと違う風景を見せてくれますが、それ以外にも雨や風の日でも楽しむ方法があります。
砂の美術館
鳥取砂丘の近くにある「砂の美術館」は、世界で唯一の砂をテーマにした美術館。
毎年異なるテーマが設定されて、国や文化、歴史的な背景を砂の彫刻で表現されます。古代エジプト、世界遺産、特定の国のランドマークなど、毎年変わるテーマは行くたびに新しい発見があります。
2024年4月からは「砂で世界旅行・フランス編」、パリのエッフェル塔や凱旋門などが作られます。
住所:鳥取県鳥取市福部町湯山2083-17
開館期間:2024年4月19日(金)~2025年1月5日(日)
開館時間:9:00~18:00
休館日:なし
料金:大人800円 小中高生400円
駐車場:30台(無料)
砂丘の温泉
鳥取砂丘の近くには温泉施設がいくつかあります。
鳥取砂丘から車で5分ほど東に行ったところにある「砂丘温泉ふれあい会館」で、雨の音を聞きながら日本海を眺めて入る温泉は、一層のリラックス効果が期待できますよ。
住所:鳥取県鳥取市福部町海士1013-1
営業時間:4月~9月 10:00~21:00
10月~3月 10:00~20:00 ※土日祝9:00~
休館日:木曜日・年末年始
料金:大人570円 小中学生230円
鳥取グルメを楽しむ
鳥取砂丘周辺のレストランや「砂丘センター見晴らしの丘」では、鳥取県の郷土料理やグルメを気楽に味わうことができます。
- 鳥取カニ:鳥取県は日本海に面していて、冬になるとズワイガニをはじめとするカニが名産品として有名です。新鮮なカニを使った料理メニューが並んでいて、悩んじゃいますよ。
- 鳥取牛:鳥取牛は、肉質の柔らかさと豊かな味わいで知られるブランド牛。焼肉やすき焼き、ステーキもいいんですが、鳥取のB級グルメ「牛骨ラーメン」がおいしくておすすめです。
- 二十世紀梨ソフトクリーム:鳥取県は二十世紀梨の生産量が日本イチ。甘くてジューシーな梨を使った二十世紀梨ソフトクリームが食べられます。
- 鳥取砂丘コーヒー:地元で焙煎されたコーヒー豆を使用した「鳥取砂丘コーヒー」、砂丘をイメージした独特のパッケージが魅力的で、お土産としても人気があります。
とろとろ濃厚のプリンに粉末カラメルをかけて、じゃりっとした(砂の?)食覚を味わう「砂丘プリン」もおすすめ。土日は行列ができるくらい人気なんですが、並んで買う価値あり!のおいしさです。
住所:鳥取県鳥取市福部町湯山2083
営業時間:9:00~17:00 ※レストランは15:00まで
プリン専門店 トット プリン
住所:鳥取市福部町湯山2164-657
営業時間:(平日)12:00~17:00 (土日祝)10:00~17:00
定休日:なし
※情報が変更されている場合もありますので、公式サイトなどで最新情報をご確認くださいね。
さいごに
鳥取砂丘を訪れるなら、その魅力を最大限に味わいたいもの。季節ごとの特色を活かした見所を巡る観光プラン(アクティビティ)をお伝えしました。
訪問する季節や時間帯によって、それぞれ異なる魅力があるので、その日の気候に合わせて臨機応変にアレンジして、その時の鳥取砂丘をベストシーズンにしてくださいね。