クルーズ船の旅行で1番いいことは、翌日の朝には次の観光地に到着してるってことです。船内は歩き回れるし、横になることもできるし、プールで泳ぐことだってできます。
バスや電車での移動に比べると、窮屈感がなく、とっても楽ちん。代り映えのない風景に飽きちゃうんじゃないの?と思われるかもしれませんが、いろんなイベントが盛りたくさんで退屈はしませんよ。
船の旅行は、とってもおすすめです(大きなシケに遭遇しなければね)。
クレタ島のクノッソス宮殿
地中海東部にあるクレタ島は、ギリシャの島々の中で1番大きい島です(地中海の島々の中では5番目)。島の北部にあるクレタ最大の都市イラクリオンに上陸しました。
港からバスで15分くらいのところに、ミノア文明(紀元前3300年)の遺跡クノッソス宮殿があります。
クノッソス宮殿の1辺は160m以上、部屋は1200以上、巨大な倉庫を持ち、地下や2~3層建て部分もあったようです。粘土で作られたパイプによる水の供給・排水システムがあり、当時世界最高水準の文明を持っていたとされています。
ミノア文明は紀元前1370年頃の大地震や内乱、鉄器を使う民族の侵略で滅亡したとされていて、1900年に発掘されました。
この時に、コンクリートを使って修復・復元されてしまったので、世界遺産に登録されないがっかり遺跡とも言われています。確かに壁画などのレプリカは、オリジナルの壁画に比べたら、修復しすぎ感は否めませんが・・・。
壁画はエジプトの影響を受けている感じがしました。
石のイス(写真右側・オリジナル)が置かれた、王座の間。鷲の頭、ライオンの身体、蛇のしっぽの神話上の生物が描かれています。鷲は天空、ライオンは地上、蛇は地下(冥界)を表し、すべてを治めた、という象徴だと言われています。
部屋の真ん中には石の水盤が置かれています。
壁一面の赤色、当時は植物や木の実をつぶして染料にしていたようですが、赤色だけは植物で出せず、毛虫をつぶして染料にしてたとか・・・。本当なんでしょうか?
竹島をめぐる領土問題の解決場所として時々ニュースで名前をきく、オランダのハーグ国際司法裁判所には、この玉座の間のイスを模したものが置かれています。
世界で最初の裁判を行ったとされるクノッソス宮殿。「正当な裁判官として、ミノス王を偲んで」
1913年にギリシャ政府からカーネギー財団に贈られ、1945年に裁判所に置かれました。
有名な「正義の女神」剣と天秤を持つテミス像もギリシャ神話の女神ですよね。考古学的な伝説が、象徴として現代に続いているって、すごいなって思います。
女王の間のイルカと魚の絵。かわいらしいですよね。右の柱には踊り子の絵が描かれています。
遺跡内のあちこちに大きなカメが置かれていました。大きなものは2mほどの高さのものも! ワインやオリーブ油を入れて輸出したり、貯蔵用の穀物を入れておいたりしていたようです。
クノッソス宮殿のミノタウロスの伝説
クノッソス宮殿は、各部屋をつなぐ廊下が複雑で、まるで迷路のようになっています。
ギリシャ神話では、この宮殿の地下には工匠ダイダロスが作ったラビリントスと呼ばれる迷宮(英語のラビリンス(迷宮)の語源になった言葉です)があり、そこに凶暴な獣人ミノタウロス(人間の身体に牛の頭)が閉じ込められていました。
毎年7人の若者と7人の少女がいけにえとしてラビリントスに閉じ込められて、ミノタウロスのエサにされていました。この迷宮は脱出不能と言われ、誰一人地上に戻ることはできませんでした。
いけにえの中に交じったアテネ王の息子、英雄テセウスは、クレタ島の王の娘アリアドネからもらった麻糸の玉と短剣で、ミノタウルスを退治した後、入り口に引っ掛けておいた麻糸をたぐって、脱出したとされています。
ギリシャ神話は紀元前15世紀頃から口承で伝えられてきたと言われていますが、伝説があって建物が造られたのか、建物があって伝説が生まれたのか、どっちなんでしょう。
ギリシャ神話は、ギリシャの学校で歴史教科の1つとして習うそうです。神々の愛憎物語・・・日本の源氏物語みたいなものなんでしょうね。
エーゲ海の海綿
エーゲ海の島々でのお土産は、オリーブオイルや蜂蜜が有名ですが、ここでゲットするべきお土産は、店先につるされているスポンジ!です。
日本で買うには高い天然海綿のスポンジはきめが細かくて、泡立ちも肌触りも抜群なんです。特にエーゲ海の海綿は世界一の品質! 赤ちゃんの身体を洗ったり、洗顔に最適ですよ。
天然のものなので大きさも形もバラバラです。たくさん買ってもぎゅっと小さくして、スーツケースの隙間に入れられます。
海綿とは、海綿質繊維だけで骨格を持たない動物。体内を通り抜ける水の中から有機物微粒子や微生物を摂取しています。
植物だと思っていたんですが、はっきりした器官がない多細胞生物。合成樹脂で作られたスポンジとは全く別物なので、珍しいお土産になりますよ。
さいごに
イラクリオン港西側の防波堤は、ベネチア時代の要塞が残っています。そこから南へ歩いていくと、お店や教会が立ち並んでいて、モロシニの噴水がある広場にでます。
4頭のライオンの口から流れ出る水と、噴水を囲む8つの水受けに彫刻されたレリーフがとってもステキです。お時間があればぜひ、足を延ばしてみてくださいね。
ギリシャ・地中海クルーズ旅行の関連記事はこちらにもあります↓