世界中にある遺跡の中で、1番古い遺跡って何だと思いますか? 私はエジプトのピラミッドだと思っていました。
一番古いピラミッドはサッカラの階段ピラミッドで、紀元前2600年代のものですが、そこからさらに1000年前、紀元前3600年の神殿がマルタ共和国のゴゾ島にあります。
古代のものとしては、3番目に古いイギリスのストーンヘンジの大きさにも負けない、「ジュガンティーヤ神殿」は1826年頃に発掘されました。
ジュガンティーヤ神殿
マルタ島からフェリーで25分くらい離れたゴゾ島にある、ジュガンディーヤ神殿。南側には5つの大きな部屋があり、北側は紀元前3000年くらいに建設された4つの部屋があります。
南側の神殿の壁は高さ8m、大小さまざまな大きさの石灰岩を積み上げた層になっていて、壁の内側と外側の間は砕石と土で埋められていたため、5000年以上もの間、このままの状態で維持できていました。
内側は表面が平らに整えられた壁になっていて、石と石の隙間に、壁の内側は漆喰塗りだった痕跡が残っています。石の天井があり、屋根は木か皮で作られていたようです。 床は一部に石板が敷かれていました。
5つの部屋それぞれに祭壇があり、動物の骨が見つかっていて、いけにえを捧げていたようです。
1トン近くあるような大きな石を、どうやって積み上げたんでしょう? ゴゾ島の伝説では、巨人女性が神殿を建てて、宗教儀式を行った、と言われていますが・・・巨人女性崇拝の発祥地です。
石を積み上げただけの遺跡で、崩れそう、というか、半分崩れてるように見えます。
ピラミッドのような「わぁっ!」って言う感動は正直なかったんですが、5000年前のものと思うと、どうやって重たい石を積みあげたのか、不思議ですよね。
タルシーン神殿
マルタ・ゴゾ島に約30の巨石神殿が見つかっていて、1980年にジュガンティーヤ神殿が世界遺産に登録されました。その後、1992年に5つの巨石神殿が追加され、1つのグループとしてマルタの巨石神殿群が登録されています。
タルシーン神殿は首都ヴァレッタの北東にあり、紀元前2800年に建てられ、4つの神殿のうち、一番新しい神殿はその700年後に作られたことがわかっています。
土に埋もれていたため保存状態が良く、螺旋形の装飾や動物の行進などのレリーフ、石のテーブル、暖炉が残されていました。神殿の周囲からは井戸、水道橋も発見されています。
神殿の内部には巨大な石を使った彫刻があり、高さ2.5m、スカートをはいた太った女神の下半身が立っています。肥沃、多産を表現する女性神はほとんどの神殿で発見されています。
イタリアやギリシャの女神像とは全く似ていない、太っちょの女神さま。なんだかとっても不思議です。
ハガール・キムとムナイドラの神殿
紀元前2700年頃に建設されたとされるハガール・キム神殿、ハガール・キムとは「聖なる石」という意味だそうです。ここでも豊満な裸身像や螺旋模様の祭壇が見つかっています。
巨石で周りを囲んだ神殿内は、各部屋が独立した祭礼室になっていて、神殿に続く出入り口が付いています。
ハガール・キム神殿の裏手から500mほど下った先に、紀元前3000年~2400年に建てられたムナイドラ神殿があります。
厚い壁の奥に秘密の空間があって、その空間の前に神様の像を立て、秘密の空間に隠れた司教が神の声を人々に伝えたと言われています。
海を見下ろす高台にあって、とても景色のいい場所に立っています。太古の昔も同じ風景が見えたんだと思うと、壮大なロマンを感じちゃいます。
ハル・サフリエリ・ハイポジューム地下神殿
バレッタの北にある、紀元前2400年頃に作られたハイポジューム地下遺跡、大通りの地下12mの、地下3層からなっています。もともと天然の洞窟だったものを、装飾して神殿を作り上げたのではないかと考えられています。
神殿を真似て、岩石をくりぬいて作られた洞穴や通路、仕切り小部屋に分かれています。
「信託の間」には小さな穴が開いていて、男性の声は反響するのに、女性の声はそれほど反響しないという不思議な空間になっています。
発掘時には約7000体の遺骨があり、死者に対する儀式や、先祖に対する信仰が行われていたようです。
1902年、家屋建築中に発見された遺跡なので、もしかしたら、他にも地下神殿が眠っているのかもしれませんね。
※見学するには事前の予約が必要です。
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※ルフトハンザ(LH)でフランクフルト経由なら乗り継ぎ1回なんですが、私はシンガポール(SQ)でシンガポールとフランクフルトの2回乗り継ぎで行きました。
さいごに
世界で4番目に古い遺跡は、アテネ(ギリシャ)の「パルテノン神殿」、5番目はクレタ島(ギリシャ)の「クノッソス宮殿」、6番目が中国の「万里の長城」です。
マルタの巨石神殿群、巨大な石をどうやって運んで、どうやって組み立てたのか? 解明されていない謎の遺跡です。
これらを作った人々は、紀元前1800年頃に姿を消したため(日照りが続いて飢饉が起こったのか、伝染病が流行したのか、侵略されたのか・・・?)、謎のままになっています。
紀元前とはいえ、文明があり、大きな石を立てたり積み上げたりする技術を持っていた・・・コンピューターや電気のない時代に、すごいことです。
マルタに行かれた時には、巨石神殿ではるか昔の時代に思いを馳せてみてくださいね。
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