チュニジアは北アフリカのイスラム国家。2011年、失業中の若者が焼身自殺したのがきっかけに、独裁政権への抗議が拡大して政権が崩壊、表現の自由や男女平等など民主的な内容が憲法に盛り込まれました。
2015年にはチュニジアの労働組合・人権組織・弁護士組織の連合体「国民対話カルテット」が「
多元的な民主主義の構築に寄与した 」と、ノーベル平和賞を受賞しました。
リゾート地あり、砂漠あり、世界遺産あり、見どころ満載のチュニジアへ、旅行先の1つとしてぜひ候補に入れてくださいね。
首都チュニス
チュニジアの首都チュニスは、アラビアとフランスが入り混じる、不思議な町です。西側が旧市街(メディナ)、14世紀の状態そのままに、伝統的なイスラム都市の構造を残しています。
高さ44mの、タイル装飾されたミナレット、カルタゴの遺跡から約200本の柱を移築して建てられた大モスクを中心に、路地やスーク(市場)が迷路のように広がっています。
かつては奴隷を扱うスークがあって、18世紀にはたくさんのアフリカ人がヨーロッパに売られていたそうです。
大モスクの北側には、トルコ風のモスクがあり、八角形のミナレットが建っています。
中世の面影を残すメディナは1979年に世界遺産に登録されました。
カラフルな陶器、銀食器、革製品、布製品、スパイスや香辛料、刺繍製品のお店をのぞきながら歩くのも楽しいですね。
東側は新市街、旧市街と新市街の境目には、高さ9mのフランス門が建っています。14世紀頃にはこの門を挟んだ南北に城壁が伸びて、旧市街を囲んでいました。
フランス門から東側は旧市街とはがらりと変わった、ヨーロッパチックな街並みが続いています。
写真↑はカトリックの教会「 サン・ヴァンサン・ド・ポール大聖堂」、ローマ法王も訪れた、ロマネスク様式の教会です。
通りにはおしゃれなカフェやホテルが多くあり、大きな時計台がある広場が終点になっています。
サヘルの真珠スース
スース(Sousse)はチュニジアの首都チュニスから南に約140Kmのところにある、地中海に面したリゾート地。「サヘル(西アフリカ)の真珠」と言われているくらい、美しい街です。
チュニスから一面のオリーブ畑が広がる高速道路をルアージュ(乗合タクシー)で約2時間、または電車で移動することができます。
プライベートビーチがあるホテルも多く、パラソルが並んで、細かくて白い砂浜が続いていて、とっても開放的な海岸が広がっています。
ホテルの中には猫が平然と歩いていて、ソファに寝てる猫もいるのに、誰も気に掛ける様子がなくて、びっくりしてしまいました。(ドゥーズのホテルでも猫がわが物顔で歩いていました。)
ホテルのプールサイドでチュニジアコーヒーを注文、真っ黒でものすごく濃いコーヒーの、上澄みを飲むんです。砂糖をいっぱい入れて甘くしないと飲めません。
チュニジア紅茶も飲んだんですが、も、めちゃめちゃ甘い紅茶で、甘いって知ってたけど、カップの半分くらい砂糖入れたんじゃないのって言うくらい、甘かったです。
要塞リバト
スースの旧市街メディナは8mの堅牢な城壁に囲まれていて、南北約700m、東西約450mとチュニスに次ぐ規模です。古代フェニキア人の港に、イスラム王朝が築いた城塞都市です。
リバトは砦という意味で、地中海沿岸に防御強化のために建てられました。灯台を兼ねた監視塔(写真↑)は、グランドモスクのミナレットの代役も務めています。
高さ約38mの監視塔には、現在もらせん階段で上まで登ることができます。
16世紀のスペイン軍、18世紀のヴェネツィア軍の攻撃も防いだ海岸の城砦は、1988に世界遺産に登録されました。
スースのグランドモスク
リバトの対岸にあるグランドモスクは、851年に建てられた、チュニジアで唯一ミナレットを持たないモスクです。ミナレットはイスラムの礼拝の時間を教えるアザーンが流れる塔のことです。
要塞のような堅牢な石造り、壁の中の中庭までは入れますが、イスラム教徒以外は礼拝堂に入ることができません。ちらっと覗くと、ござのような敷物が床一面に敷かれていました。
スースの町中には、色カラフルで個性的な門のお家が多く、門の写真集があるくらいです。白い壁に色とりどりの門や窓枠が映えて、とってもきれいです。
アーチの上の部分が黒と白の縞模様は、イタリアの影響を受けているんだそうです。
旧市街はちょっと迷路のように入り組んでいるので、迷子にならないように気をつけてくださいね。
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さいごに
チュニジアの世界遺産がある首都チュニスと、リゾート地スースをご紹介しました。
民主化に成功しつつあるチュニジアですが、イスラム厳格派は存在し、イスラム過激派のテロの心配も全くないわけではありません。
それでも、18年前のチュニジアに比べれば。現在のチュニジアは、とても自由で、開放的です。
盤石の上に成り立つ「アラブの民主化」がこれから進んで、不安のない平和な国になることを願っています。
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