私が初めて海外に出かけたのは、豪華客船の地中海クルーズ。嫌なことがあって「もぉ死んでやる~」とヤケになって、でもその前にずっと憧れていたギリシャに行ってみようと、貯金はたいてツアーに申し込みをしました。
豪華客船で4泊5日。アテネのピレウス港から出向して、地中海の島々をめぐります。当時はコソボ紛争真っ只中。3日前にアメリカ系のホテルで爆弾テロがあり、死者も出ていました。
反米感情が高まる緊張状態の中、ユーゴスラビア上空は飛行できず、3時間遅れでアテネに到着したのは朝の4時でした。
ロイヤルオリンピックのクルーズ船
船室は7層あるうちの上から3層目、外の景色が見えるアウトサイドのツインルーム。洗面、シャワールームとトイレのついた個室です。
出航後、部屋に用意されている救命胴衣を着けてメインラウンジに集合、全乗客の参加が義務付けられている避難訓練がありました。
いろんな国の人たちが集まっていて、避難訓練さえもイベントのような感覚です。デッキに出て、救命ボートの説明がありました。
船の中には、映画館、ディスコ、バー、カジノ、美容室にブティック、スポーツジム、図書館、医務室、プールが2つ・・・まるで小さな町の中にいるようです。
外に出れば一面のエーゲ海が広がっていて、サンデッキに寝転んでのんびりする、なんて、人生でこれほど贅沢な時間を過ごしたことがあったかしらん?というくらいの気持ちよさ。
3食付きで、アルコールのみ別料金。朝食と昼食はビュッフェスタイル、自由席でいろんな食事を楽しむことができます。夕食はメニューからメイン料理を選んでのコース料理。最終日のみ時間指定のフルコースでした。
船内の説明があった後、最初の寄港地「ミコノス島」が見えてきました。
エーゲ海の白い宝石、ミコノス島
乗客1人1人に、部屋番号のついた木札があり、下船の時は裏返し、乗船したら表返しするようになっていました。船に残っている人や、船に戻ってきていない人を把握するためです。
出港時間になっても戻らない場合は、問答無用で置いていかれます。なので、戻る時間だけは絶対に守らなくてはいけません。
テンダーボートに乗り換えてミコノス島に上陸しました。白い壁の家が並んでいます。ミコノス島に上陸してすぐにペドロくんを発見!
ミコノス島のペドロくんは超有名なペリカンです。ペドロくんたちは、島民だけではなく、観光客からも愛されているアイドル的存在です。
ミコノスは路地の風を遮るためと、海賊を迷わせるために、迷路のような細い道が複雑に入り組んでいます。
狭い石畳の道に白壁の家。とてもロマンチックな風景・・・だけど、カフェのおばちゃんはため息をつきながら言いました。
「この白い壁には、防虫剤が練りこんであるのよ。じゃないと家の中に虫が入ってきちゃうから。毎年塗りなおすのに、けっこう大変なのよね。真っ白い壁に青い海って写真ではきれいだけどね・・・」
現在は観光の美観保持のため、日差しが強いので熱吸収が低くするため、漆喰に使う石灰石の算出が多いため、などの理由で、ずっと以前から白く塗られていたんですね。
ミコノスの家の窓に網戸があれば、白壁の家はなくなる?のかもしれません。白い壁には理由があったんですね。
ちゃっかり、村上春樹さんの「遠い太鼓」に出てくる「トマス・バー」にも行ってみました。
迷路のような道路を適当に歩いていきます。お土産物屋さんがあったり、ブティックがあったり。町の西側には5つ並んだカトミリの風車、かつては小麦を挽くのに使われていました。
ここからの夕日は絶景で有名なんです。夕日が沈むのを待っている人たちがたくさんいました。
薄曇りでキレイな夕日・・・ではなかったけれど、学生時代からずっと来たかったミコノスで見る夕日は、写真で見る絶景の夕日よりもキレイに見えました。
船内の楽しみ方
船の中にいる昼間の時間は、いろんな催し物が用意されています。ギリシャ語講座やギリシャダンス講習会など、好きな講座に参加(無料)できます。
写真↑はギリシャダンスの講習会。3日目の夜に「お披露目会」があるとのことで、みんなやる気満々です。一番前のおばちゃん、めっちゃ楽しそう♪
初日の夜は船長のウェルカムパーティー、3日目の夜はグリークナイトパーティ(ギリシャの国旗の色(青か白)の服を着用して参加)、最終日はドレスアップしてフォーマルパーティでした。
生演奏や歌のショーがあったり、みんなでダンスをしたり、そこで撮ってもらった写真は、フォトショップの前に貼り出されて、購入することができました。
カジノルームでは、1日1回参加者が5ドル支払ってビンゴ大会が催されていました。勝った1人が全額もらえるんです。20人ほど集まると開始されます。
私は運よく1番にリーチ(あと1つ)になり、ワクワクしてたんですが、結局他の人がビンゴになってしまいました。私がビンゴになった彼女のカードに間違いがないかチェックして、賞金は彼女のもとへ。
そんなこんなで、自分の船室に戻るのは寝る時だけ、あとはいつも何かに参加して遊んでるという感じでした。
さいごに
地中海クルーズでの経験で、自分の知らない世界がまだまだある、それを見ないで死んじゃうのってすごくもったいないことじゃないかな・・・と思うようになりました。
貯金はたいて参加しちゃったので、地中海クルーズから戻った後は真面目に働いてお金を貯めました。そして、お金が貯まると海外へ出かける、そんなパターンができてしまいました。
※この地中海クルーズは1999年5月の旅行記です。
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