古代ローマ遺跡の1つ、コロッセオ。ここを見なきゃ何しにローマに行ったの?ってくらい、ローマを代表する観光地です。
この円形闘技場、一般の入場券では地下遺跡に入ることができないし、3000人という入場制限があるので、先に予約購入しておく方が安心です。
チケット売り場はいつも混雑しているので、地下見学ツアーに参加しない場合でも、入場チケットは前もって購入しておいた方がいいですよ。
コロッセオ地下ツアーの予約方法
古代ローマ帝国によって作られた円形闘技場、コロッセオ。紀元80年に完成したコロッセオでは、404年に禁止されるまで、動物対人間、人間対人間が戦う血まみれのゲームが開催されていた場所です。
高さ48m、直径が188mと156mの楕円形で、火山灰を混ぜ込んだコンクリートでできています。4階建てで、約5万人を収容することができるそうです。近くまで行くと、その大きさに圧倒されます。
通常のチケットでは地下部分とアリーナ部分、最上階へ行くことができません。上から地下部分を見ることができますが、そこに足を踏み入れてみたい!と、Underground Tour(地下ツアー)の予約をすることにしました。
日本語に翻訳すると、ちょっと意味の通じない部分もありますが、英語ツアーを選択し、日にちを指定すれば、予約可能な時間帯を表示してくれます。(各ツアー24人まで)
予約すると、詳細(名前やメールアドレス、支払カード情報)を入力する画面になります。メールに届いたバウチャを印刷して持っていきます。(予約番号がわかればいいようです。)
コロッセオのアンダーグラウンドツアー
当日、コロッセオの入場チケット購入のための長い列ができていました。それを横目で見ながら、入り口に向かい、バウチャを見せて中に入りました。
入場券と、ツアーの時間・言語が明記された薄紫色のシールを渡されるので、わかりやすいところ(胸のあたり)に貼っておきます。
時間になると、ミーティングポイント(↑写真右)で無線とイヤホンが配られます。死の門(戦い敗れた剣闘士の死体が運び出された扉)をくぐって、コロッセオのアリーナ部分へ。
床は解体されてしまっていたので、現在は全体の5分の1ほどが再建されています。かつては滑り止めと血液を吸収するために、砂で覆われていたそうです。
死闘が繰り返された闘技場の舞台から、巨大な遺跡を見上げてみると、1階2階の観光客の視線を感じます。これが剣闘士たちの目線なんだな~と思うと、逃げ出したいような気持になります。
※アリーナ部分は一般の人たちは入場することができません。
観客席は大理石でできていましたが、何世紀もたつうちに崩壊したり、削り取られたりしました。
現在はアリーナフロア近くの座席の一部のみ復元されています(↑写真右)。時間をかけずに席に座れるよう、入り口アーチは80以上あったそうです。
それにしても容赦ないスピードの英語なので、理解できないまま説明は進んでいきます。ものすごい集中しても、半分も聞き取れません(泣)。
地下に降りると、猛獣を入れておく檻や、試合を待つ奴隷たちの牢が壁で細かく仕切られています。猛獣を地上に持ち上げる、手動式のウィンチ式リフトが60台以上あったそうです。
(↑写真:リフトの支柱跡)奴隷たちがレバーを回し、滑車システムによって檻を持ち上げる仕組みです。
水道が完備されていたようで、水をためておく場所もありました。今は地下の半分以上に太陽の光が届くので明るいのですが、当時は床で覆われていたため、真っ暗で蒸し暑い地下だったのではないか(換気システムは見つかっていない)と思われます。
剣闘士は捕虜となった兵士や、戦い方の訓練を受けた奴隷、犯罪者だったとか。必死で戦い、勝負がついても観衆の盛り上がりがヒートアップしていたり、皇帝が命令すれば、弱った敗者を殺さなくてはならなかったようです。
強い精神力がないと、戦えないですね。暗い地下に入れられ、騒々しいアリーナに出たら、太陽が照りつける中で、相手が人間であれ、動物であれ、自分が生き残るために闘わなくてはいけない・・・。
地下から鍵のついた扉を開けて、最上階に上がります。最上階は女性や身分の低い奴隷のための席でした。座席は社会的地位の高い人が地面に近い場所で、労働者階級は上階でした。
最上階には、観客を太陽と雨から守るためにマストが張られていたようで、その支えが残っています。
当時は誰でもコロッセオに入場は無料で、食料が配られることすらあったようです。市民が政治や社会に関心を持つことを防ぎ、皇帝の支持を集め、権力を強めるための娯楽施設だったんですね。
(↑写真:大理石や強度の強い石灰石が剥ぎ取られた壁)
四角い石が積み上げられた外壁が見えます。5世紀以降、放置されたコロッセオから、大理石の装飾は建築資材として持ち去られ、自然災害の影響を受け、中世には石が搾取されていきました。サン・ピエトロ大聖堂もコロッセオの石が使われています。
ここからコンスタンティヌスの凱旋門(戦いの勝利を記念して315年に建てられた、高さ21m、幅21mの3つのアーチを持つ凱旋門)やフォロ・ロマーノの遺跡全体を見ることができます。
ここでツアーは終了です。1時間くらいのツアーでした。あとは1階~3階を自由に散策できます。
観客の目、剣闘士の目を通して、コロッセオをめぐることができる地下ツアー、おすすめです!
通常のチケットでもコロッセオの大きさは体感できますが、チケット売り場はいつも混雑しているので、あらかじめ購入しておいた方がいいですよ。時間の節約になります。
Piazza del Colosseo, 1, 00184 Roma
古代ローマの都の遺跡フォロ・ロマーノ
フォロ・ロマーノはコロッセオに隣接している遺跡で、古代ローマの政治・経済・法律・宗教の中心地でした。初代ローマ皇帝はここで戴冠式を行い、ジュリアス・シーザーの葬儀もここで行われました。
紀元前753年にローマが建国。紀元前6世紀、もともと湿地帯だったこの場所に、公共広場としてテヴェレ川と結ぶ世界初の下水道システムが整備されました。それは現代のシステムに組み込まれ、今でも使用されています。
(写真左:第15代ローマ皇帝が141年に亡き妻のために建てた神殿。高さ17mのコリント式柱があり、11世紀に教会が建てられました。写真右:紀元前501年に建てられた農耕の神の神殿。)
紀元前5世紀頃から徐々に敷地が広がり、歴代の皇帝たちが凱旋門や神殿を作り上げていきました。
(写真↑:81年建造の、現存するローマ最古の門)
ローマ帝国の崩壊後(410年頃)に荒廃し、石や大理石が略奪されました。中世の時代には瓦礫で覆われて、19世紀になって発掘され、その作業は現在も続いています。遺跡を修復、保存し、新しい発見を探しています。
2009年に陶器の遺物が発見されましたが、それはローマが建国されたと考えられる時代よりも1世紀以上前のものだとわかりました。古代遺跡の発見は、歴史を変える発見につながるのです。
入場料は12ユーロ、コロッセオの入場料と共通(2日間有効、再入場可)になっています。
Via della Salara Vecchia, 5/6, Roma
↑↑「kkday」の現地ツアーなら、コロッセオとフォロ・ロマーノ(入場券付)を、日本語認定ガイド付きでまわることができます。
サン・クレメンテ教会
コロッセオの東300mくらいのところにあるサン・クレメンテ教会は、1108年に建てられた教会ですが、遺跡が残る珍しい教会です。
教会の祭壇の下には1世紀に作られたミトラ神殿が地下2階に、4世紀に建てられた教会が地下1階にあるのです。
キリスト教が迫害された時代に、ローマの上院議員だったクレメンスは、自分の邸宅の中に、秘密崇拝場所として地下に教会を作りました。
キリスト教が公認された後に現在の教会を建てて、地下の教会のことを忘れてしまったんでしょうね。1857年に再発見されたときは、きっとびっくりしたと思います。
聖堂の右手にある入り口から地下に入ります。薄暗い光の中、古代フレスコ画が残っているのが見えます。地下全体が見えないのですが、とても広い空間のようです。
さらに階段を降りると、水の流れる音がします。古代ローマの下水道の跡があり、ちょろちょろと水が漏れていたりします。ここまで見学する人は少ないせいか、誰もいない地階の中を、取り残されたような心細さを感じながら進みます。
奥にミトラ神殿の祭壇があります。薄暗い中にぼぉっと白い四角い神殿が浮かび上がっています。さらに地下3階もあるらしいのですが、発掘は進んでいないようです。
時代、文化の違う層が重なり合う構造は、頑丈な土台と壁によって成り立ち、地下は湿気を減らすために漆喰が塗られています。古代の建築技術と知識は本当にすごいですね。
外に出ると、眩しさに目が慣れるのに時間がかかるほどでした。暗闇の地下神殿、是非体感してみてくださいね。
Via Labicana 95, Roma
さいごに
コロッセオの地下ツアーは、見る価値大のおすすめツアーです。古代ローマ人の思いが渦巻いているような、悲痛な思いが伝わってきそうです。
英語が聞き取れなくても・・・大丈夫! そこに足を踏み入れるだけで、なんとなく理解できますよ!
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