フィレンツェからピサの斜塔へ行くために、現地ツアーの申し込みをしました。フリー旅行では、現地発着ツアーは行きにくい場所に行ける、強い味方です。
申し込みは日本から、日本語のHPで確認のうえ申し込みができるので、とても便利です。ピサの斜塔に入場して、その傾きを体感してみてくださいね。
フィレンツェ発着ツアーでピサへ
ツアーは午後の出発で、バスでアウトストラーダ(高速道路)で1時間ちょっとの道のりです。集合場所で待っていたら、2階建てバスがやってきました。
1番に受付を済ませ、2階の一番前の席をゲット。集合時間の10分前にはそこにいる、時間厳守の日本人気質が、小さなラッキーを手にすることができました。
バスは40人ほど乗せて出発しました。申し込んだのは「多言語ガイド・ピサの斜塔入場付半日観光」、バスのアナウンスは英語、フランス語、イタリア語、スペイン語の4か国を、1人の女性が話していました。すごい!(英語以外は、参加者の出身国の配分によって、言語が変わるそうです。)
駐車場に到着後、ここからは英語のみのガイドになります。10分ほど町中を歩いて、カヴァリエーリ広場(騎士団の広場)に向かいました。
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ルネサンス建築が並ぶカヴァリエーリ広場
ここは中世ピサの政治中心地で、広場の周りはルネサンス建築の建物が並んでいます。
カロヴァーナ宮は、騎士団本部として1564年に建てられました。壁一面にいくつかの色の石膏を塗布し、削って下層の色を出していく方法でデザインされていて、ピサの名士の胸像も飾られ、華やかな外観になっています。
宮殿の前にカッコよく立っておられるのは、メディチ家の1人で、初代トスカーナ大公のコジモ1世。17歳で当主になり、領土拡大と軍備強化に努めました。
現在のフィレンツェの景観を作り上げた人です。シニョリーア広場にもコジモ1世の騎馬像があります。
カロヴァーナ宮の右側にあるサントステーファノ騎士教会。
時計宮のファサードは、もともとあった2つの建物をつなぎ合わせるように作られました。現在は大学の図書館になっています。
近くにはガリレオ・ガリレイが研究していたという、イタリアで最古の大学があります。「それでも地球は回ってる」という言葉で有名な、物理学者で天文学者であるガリレオは、フィレンツェ出身なんですね。
ベッキオ橋の近く(ウッフィッツィ美術館の東側)にガリレオ博物館があり、指の遺骨が展示されているそうです。
平衡感覚がおかしくなるドゥオモ広場
子供の頃、ピサの斜塔を「ピサのシャトー」と思い込んでいて、王様や貴族の大きなお屋敷がある場所だと思っていたワタクシ。
斜塔を含むドゥオモ広場は、1987年に世界遺産に登録されました。
洗礼堂、大聖堂、斜塔が並んでいるドゥオモ広場に入ると、なんだか平衡感覚が変になりそうです。ピサの斜塔だけが傾いているのではなくて、すべての建物が傾いているのです。このエリアは全体的に地盤沈下が起こっています。
大聖堂は1063年に建てられたロマネスク様式の聖堂です。フィレンツェのドゥオモと同じくバシリカ様式(上から見るとラテン十字形)になっています。
西側には洗礼堂があり、高さ55m、直径約35mの洗礼堂があり、1152年から200年以上かけて建てられたため、下部はロマネスク様式、上部はゴシック様式の珍しい造りになっています。
上部のクーポラ部分の東側だけが鉛板葺きになっています。ガイドさんの説明では、西側に海があり、海風から腐食するのを守るため西側だけテラコッタの瓦葺きになっている、ということでしたが、建設中の予算不足など諸説あるようです。
斜塔の周りでは、たくさんの人たちが、いろんなポーズで写真を撮っています。斜塔を手で支えたり、手の平に載せたり、両手で上下を挟んだり。見てるだけでも面白いですが、ここはぜひ、面白写真に挑戦してみてくださいね。
ピサの斜塔はなぜ倒れない?
ピサの斜塔は1173年から着工されましたが、塔が傾き始めて工事が中断、200年かけて完成しましたが、当時の計画では100m以上の高さになる予定だったそうです。
現在は高さ約58m、傾き3.97度、北側と南側で85cmの高低差があります。
傾斜の原因は土地の地盤の固さが不均一だったため、柔らかい南側に塔が傾いてしまったんです。現在は北側を掘削することで傾斜を抑えています。
斜塔の上にある赤い旗は、塔がどんなに傾いても、地面に対して垂直に立つようになっています。
バスツアーの参加者のうち、15人ほどが入場付きに申し込んでいましたが、インド人の家族の男の子が、どうしても怖い、行きたくない、とわめいてキャンセルしました。確かに近くで見ると、いつ倒れてもおかしくないように見えます。
大きな荷物は、近くのロッカーに預けて、カメラだけ持って集合しました。人数制限があり(40人まで)、入場時間が30分と決められています。(7歳以下または身長110cm以下は入場不可)
内部に入ると、バランサーのような、地面に対して垂直の梁のようなものが、壁についていました。
296段のすり減った大理石の階段を上っていきます。身体が無意識に壁に平行になるように歩こうとしてしまうせいで、身体が傾いて、だんだん均衡が取れなくなっていく感じがしました。
最上階(8階)部分の展望台には7つの鐘があります。この鐘を鳴らすと塔の傾斜に影響を与える可能性があるそうで、現在はスピーカーから鐘の音を流しています。
円周に沿って少し高い金網が張られていますが、360度の展望が開けています。
西側には大聖堂、東側がフィレンツェの町並みが見えます。そこではそんなに傾いているような感覚はなかったです。
ちなみに現在、ギネスブックで「世界一傾いている建物」は、ピサの斜塔、ではなく、UAEアブダビの「キャピタルゲートビル」。傾斜角度18度ですが、人工的に傾けたもので、床はすべて地面に平行になっています。
斜塔の裏側に「オオカミの乳を飲む双子の像」がありました。紀元前、川に捨てられた双子は狼の乳を飲み、キツツキの運ぶ食糧で生きながらえ、その後羊飼いの夫婦に引き取られました。二人はローマを建国するのですが、仲たがいから兄は弟を殺してしまいます。
弟の息子たちは北部のトスカーナ地方まで逃げて、シエナの町を建国しました。ピサからシエナまでは電車で1時間くらいの距離ですが、なぜこの像がここに? 同じトスカーナ州だからでしょうか???
ちなみに「オオカミの乳を飲む双子」は、ローマのサッカーチームASローマのシンボルになっています。
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さいごに
現地発着ツアーは、他の参加申し込みがなければ、完全なプライベートツアーになることがあります。そうなると自分のペースで観光することができるので、とてもラッキーです。
現地ツアーを上手に使って、観光を楽しんでくださいね。
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