インドを効率よく回るには、国内線の飛行機か、列車を使うのがおすすめです。
バラナシからアグラまで、寝台列車で移動することにしました。 日本でも寝台列車に乗ったことがないのに、インドで人生初の寝台列車体験。
不安だらけでしたが、これもいい経験になるか?と挑戦することにしました。
インドで夜行寝台列車に乗る
バラナシの駅のホーム
駅のホームは人で溢れています。ホームに牛もいて、ゴミ箱に顔を突っ込んで、口をモゴモゴさせています。ゴザをひいて横になってる(駅に住んでる?)人たちの姿もあります。
その横を、小学校低学年くらいの年齢の子供たちが、捨てられたペットボトルを袋に集めて回っています。駅だけではなく、線路沿いに歩いて、集めているようです。
電車は1時間遅れで到着。「1時間遅れならラッキーだよ」と言われるくらい、遅延は日常茶飯事のようです。
予約した2等席はエアコン付きベンチシートの2段ベッド、4人で1部屋、1部屋ごとにカーテンで仕切られています。スーツケースは椅子の下に置かせてもらって(ワイヤーロックで固定します)、はしごで上に上がります。
1等車を選ぶべきか悩みました。1等車は鍵がついてる4人部屋個室で、専用の洗面台が付いています。
列車によっては特等車もありますが、2人部屋で鍵付き、同室の相手は確約なし(誰と一緒になるかわからない)とのこと。(外国人が予約できるのかは不明です。)
インドのカースト制によって、選べる車両も決まっているので、1等は軍の少尉とか銀行家など、カースト上位の方々と同室になる可能性があります。
ただし、カップルで申し込んでも同室になれる保証はなく、インド鉄道に決定されて、出発直前に駅の掲示板に貼りだされます。(かけ離れた階級の人と、同室にならないようにするための配慮だそうです。)
「鍵がついてる方が不安かもよ、男女別になってるわけじゃないし。カーテンなら叫べば何とかなるでしょ?」…ものすごい不安になりました。
「寝てる間に貴重品が盗まれるんだけど、体に巻き付けておいても盗まれるんだよ。なんでかっていうと寝てる人にクロロフィルかがせて、気が付かないようにしちゃうからだよ。」…不安しかなくなりました。
3等車は3段ベッド、カーテンなし。毛布やシーツ、まくらの支給は3等車まで。4等車以降はエアコンなし。
4等席から後ろの車両は、人が乗ってるというより、扉のないドアに人があふれてる状態。さすがに屋根に乗ってる人は見ませんでした。
格子の入った窓から(クーラーなしのため、窓は開いたまま)、こちらを見る遠慮ない視線が突き刺さってきます。
自分の寝てる足元に、知らない人が一晩中座ってることもあるとか、不安ばかりでしたが、寝台列車を使う方が効率的に回れるし…と、2等車で予約しました。
寝台列車2等の様子は?
写真左↑は4人部屋の中の様子です。下のおじさんに「写真撮ってもいい?」と聞くと、「OK」といってポーズをとってくれました。写真右はカーテンを閉めた通路側です。
下のベッドには真ん中にテーブルがあります。上の段には鏡の上に棚がありますが、カバンを置くのは危険すぎです。横のフックは下のおじさんに占領されていました。
※同行のガイドさんは3等車のため、列車の中では別々になりました。
ベッド上段は座れるほどの高さはなく、壁に寄りかかって座れる程度。毛布と下に敷くシーツが紙袋に入って配られてきます。
(↑配られた毛布とお弁当、左下の黄色の包みはゆで卵です。)
この毛布が清潔かどうか、躊躇しましたが使いました。横に通風孔があり、夜中ずっとエアコンの風が吹き出して寒かったのです。乾燥するので、濡れマスクがあるといいですよ。
インドの寝台列車のトイレ
トイレは、下を見れば線路が見えました。トイレから地面に垂れ流し状態。駅に到着したら使用禁止って、こういうことだったんですね。
トイレにはコップが付いていて、水を汲んでお尻を洗うようです。トイレットペーパーなんていうものは、どこにもありません。
途中の駅で乗り込む人が、夜中だろうとお構いなしにカーテンを開けたり、電気をつけたり。上段で寝てる私には迷惑この上なく、何度か起こされつつも、列車はゴトゴト走り続けます。
翌日の朝に到着予定でしたが、どうやらお昼近くに到着する様子。一度遅れたら、すべての電車が遅れていくのではなくて、時間通りに走る電車が優先されるため、場合によっては途中で停車して、抜かされるのを待たなくてはいけません。
一度遅れた電車は、どんどん遅れていく、これがインドルールです。
心配してたようなことは何もなく、同室のおじさんも気さくに話しかけてくれます。
朝ごはんにもらったお弁当ボックスの中は、口の中の水分を持っていかれそうな、パサパサのパンとポテトのサンドイッチ。
※朝ごはんは寝台列車に含まれていないので、ガイドさんが途中の駅で購入してくれました。
16時間以上も電車に乗っているのに、バラナシとアグラはウッタル・プラデーシュ州、同じ州の中です。州の中に71の県があり、29ある州のうち、面積は5番目、人口は1番多い州です。
電車の揺れで頭をずっと揺さぶられているので、食欲もなく、早く到着してくれ~と祈るばかり。結局、5時間半遅れでアグラに到着しました。過酷な、でも貴重な寝台列車の旅になりました。
アグラからデリーは急行列車で
アグラからデリーは、急行列車シャタブディ・エキスプレス2等車で向かいます。アグラを21:15発(デリー到着予定23:30)、2時間15分の列車の旅です。
2等車は全席指定、食事・エアコン付き、1等車と2等車しかなく、席のない人がうろうろしてることはありません。
シャタブディ・エキスプレスは近隣の大都市間を結び、午前中に始発から終点まで行き、午後は折り返して始発まで戻る、というパターンで、デリー・アグラ間は週7便運航されています。
大きなスーツケースも網棚に載せれるくらいの広さがあり(落ちてこないか心配でしたが、問題ありませんでした。)、座席間も日本の新幹線と変わりありません。
椅子の厚さが薄いので、列車の振動が体に響く感はありましたが、さほど気になるほどではなかったです。リクライニングもついています。
夜の9時過ぎの出発なので、夕食は食べて乗車したのですが、配られた食事はやっぱりカレー。味はもちろんインド人向け辛さ。まったく手が出ませんでした。
窓の向こうは真っ暗で何も見えず、トンネルの中を走っているのかと思うくらい。前の座席のおじさんが、椅子を倒していいかと聞いてきたので「OK」と伝えたんだけど、椅子を倒すとテーブルが自動で私の前に倒れてきてしまうのです。
何度テーブルをしまっても、前に倒れてしまうので、おじさんが小さな紙を折りたたんで、テーブルを止めるクリップにはさんで止めてくれました。親指立てて、「OK!」めっちゃ嬉しそうな顔、見てるこっちまで嬉しくなりました。
デリーに近づいたころ、お金の入った紙箱がまわってきました。これはなんだ???と悩んでいたら、係員が苦笑いをして、次の席へ箱を回していきました。
係員へのチップを入れる箱だったんですね・・・気が付くのが遅くて、ごめんなさいです。
さいごに
ドキドキの寝台列車でしたが、何とか無事に到着、アグラ観光を端折ることなく観光することができました。
寝台列車では、到着時間が分からない~、顔が洗えない~、着替えができない~などありますが、こんな経験も一度はいいかもしれませんね。
列車を使われる場合は、遅延することも考えて、余裕のあるスケジュールを立ててくださいね。
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