ウズベキスタンのブハラは1993年に旧市街地が世界遺産に登録された町です。乾燥地帯の中にあるオアシス都市で、紀元前5世紀頃から要塞都市として存在していたと推測されています。
365日中360日が晴れと言われるブハラ。1日あれば観光できちゃう小さな町ですが、見どころはいっぱいです。タシケントから飛行機で1時間40分、列車だと7時間から8時間ほどの距離です。
ブハラのラビハウズ池
ラビハウズは3つの建物に囲まれた、36m×46mの長方形の人口の池です。周りは階段状になっていて、池に下りられるようになっています。
その周りに3つの建物、東側にはイスラム教の神学校、北側には学生宿舎がある神学校、西側に巡礼宿です。
東側にある神学校(ナディール・ディヴァンベギ・メドレセ)、入り口の周りには、日本語にすると「ゆりかごから墓場まで」みたいなことが書いてあるそうです。
上部には、イスラム教では偶像崇拝は禁止されているのに、顔のある太陽に向かって飛ぶ不死鳥が描かれています。その下には豚、邪悪なものを表し、豚のしっぽは綿花、身体には小麦が付いています。
元々はキャラバンサライ(複数の商人と、商品を運ぶ人や動物の一行が泊まる宿)の予定だったけれど、君主の勘違いにより、神学校に変更されたそうです。
神学校とラビハウズ池の間に、ロバに乗ったひょうきんおじさんの像があります。フッジャ・ナスレッディンという、一休さんのようなトンチで有名な学者さんで、ウズベク人のなりたい人像の1番だそうです。
ブハラのマゴキ・アッタリ・モスク
マゴキ・アッタリ・モスクは砂に埋もれていたモスクで、1936年に発掘されました。マゴキはペルシャ語で「土の下」、アッタリは「いい匂い」という意味とのこと。
このあたりには、仏教寺院・ゾロアスター教寺院、市場(バザール)があり、ハマム(公衆浴場)で体を清め、香水の市場でいい匂いをまとって、お祈りに(神様に会いに)行くのが日課だったそうです。
近くに「タキ」があります。大通りの交差点に、丸い屋根がついた市場が今も残っています。宝石市場や帽子市場になっていますが、観光客相手のお土産さんという感じです。
ブハラのチャル・ミナレ
チャル・ミナレは4本のミナレットを持つ、門番小屋。トルクメニスタン人の富豪商人が、インド建築を真似て建てられたとのこと。3つは収納用、1つは最上階への階段があります。
4つのミナレットは、彼の4人の娘を表しているとも言われますが、それぞれのタワーの形状は異なっていて、4つの宗教(ゾロアスター教、イスラム教、キリスト教、仏教)を連想させるモチーフを見ることができます。
かつては神学校とモスクもあったそうですが、今はこの入り口だけが残っています。
1995年に4つのミナレットのうち1つが、地盤沈下のために崩壊しました。ユネスコの世界遺産基金が適応され、修復されました。
青い空に青い4本のミナレットが映えるんですよね。住宅地の中にあるので、場所がわかりにくいのですが、「Chor Minor?」と聞けば教えてもらえますよ。
ブハラのアルク城
アルク城はブハラの旧市街に位置する、16~20mの高さの城壁に囲まれたお城です。
紀元前4世紀頃から存在していたようで、落城と再建を繰り返し、現在のアルク城は18世紀に再建されたものです。(20m下まで、落城の残骸が埋まっているそうです。)
歴代のブハラ・ハーン(君主・王)の居城です。入り口は18世紀に建てられた2本の塔に挟まれています。塔の上部はテラスと客室になっています。
とても立派な入り口ですが、かつては囚人が収容された場所。門をくぐると、細くて急な坂道があり、左側に囚人が収容されていた牢獄があります。アルク城の前では、ハーンの圧政に抵抗する市民が処刑されていたそうです。
君主はとても厳しい人だったようで、謁見の間の入り口には壁があり、王に謁見する人たちはここで謁見の決まりを聞かされます。
背中を見せてはいけない(退出は一歩一歩後ずさりをして)、王との距離も決められていて、それ以上近づいてはいけない、などの厳しいルールがあったそうです。
他にも玉座の間や、小さな博物館(古代・中世のブハラ、貨幣)があります。
バラハウズ・モスク
バラハウズ・モスクは、1712年アルク城の西側に建てられた、王様専用のモスクです。小さなミナレットと、四角い人口の池が作られています。(池を持つモスクは、立派なモスクの証拠だそうです。)
クルミの木で彫刻された20本の柱が並んでいて、天井はカラフルな色で装飾されています。壁には、5回の礼拝時間を示す時計が掲示されていました。
現在は住民が使うモスクになっています。
さいごに
ブハラ歴史地区は1日あれば充分観光できるくらいの、こじんまりとした小さな町です。チャル・ミナレは住宅街を抜けた先にあるので、迷子にならないように気をつけてくださいね。
町全体が世界遺産の旧市街をゆっくり歩いて、中世のシルクロードの都を満喫してくださいね。
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