2回目の就職先で、上司(ボス)となったのはインド人でした。流ちょうな日本語を話し、「稟議書」と漢字で書いていたのを見て、びっくりしました。
人生観が変わると言われるインドに行きたい。ガンジス川の沐浴を見てみたい。ずっと思い続けていたけれど、なかなか決心がつかなかったのは、ボスの言葉。
「なんでお金出して、わざわざ汚いものを見に行きますか?」「私は定年になってもインドに帰りたくないです。」
いくつもの葛藤を繰り返して、決心して行ったインドは、想像を超える混沌とした世界でした。
無事にインド旅行をするために
女性の旅の注意点
とにかく自分の身を守ることが一番です。せっかくインドに行くなら、やってみたいと思うことがあるとは思いますが、自分の身体を優先してくださいね。
沐浴してみたい・・・けれど、赤痢や感染症のリスクを知っていて、入る必要はないと思うんです。せっかくインドに来たからって、食べ慣れていない香辛料たっぷりのカレーを食べなくてもいいんです。
歯を磨くときもミネラルウォーターで口をゆすぎ、レストランのスプーンは必ず除菌ティッシュで拭いて使いました。どこへ行くにもガイドさんに連れて行ってもらいました。
※ガイドさん付きの個人ツアーで行きました。
おかげでお腹を壊すこともなく、無事に帰ってくることができました。インド旅行の目的は「無事に帰ること」を目標に、お出かけくださいね。
インドでびっくり驚いた話
今までいろんな国に出かけたけれど、インドだけは格別というか、想像以上の信じられない風景が広がっていました。今日はお祭りがあるのかな?と思うほどの人たちが、町中にあふれています。
クラクションを鳴らし続けて走るサイドミラーが取れちゃってる車、いったい何人乗ってるの?と思うくらい人が乗ってるオートリキシャ。バスや車が止まるたびに道路に飛び出してくる物売りたち。
ごちゃまぜの中にある逞しさに、圧倒されるばかりです。
バラナシでガンジス川を見る
デリーから国内線でバラナシへ、ずっと行きたいと思っていた、聖なる河ガンガーへ向かいました。ガンジス川には大きな霊力があり、沐浴すればすべての罪が洗い流される、遺灰を川に流すと天国に行けると信じられています。
死体が焼かれ、遺灰や下水がそのまま流れている川。沐浴をする人たちと、そのわきで洗濯をする人たち。道路をわが物顔で歩く牛とゴミをあさる豚や猿・・・。
人と動物、生と死がいっしょくたになった場所で日常が流れていく風景は、言葉にできない衝撃と自分の甘さを痛感させられます。
ヒンドゥー教の神様と仏教の聖地サルナート
バラナシには仏教の聖地、ブッダが初めて説法を行ったとされる場所サルナートがあります。ブッダはヒンドゥー教の神様の生まれ変わりで、仏教はヒンドゥー教の1つとされているんです。
ヒンドゥー教が生活に密着してして信仰されているけれど、カースト制度が依然残っていて、生まれで区別され差別され、小さな子供を抱えた痩せた女性が手を差し出して物乞いをしている現実。
自分の知ってる日常が覆されてしまうほどの、カオスな世界がありました。
アグラでタージ・マハルを見る
バラナシから寝台列車でアグラへ
バラナシからアグラまで夜行寝台列車で向かいます。2等席エアコン付き部屋を予約をしていたものの、席は当日までわかりません。自分の席は、カーテンで仕切られた2段ベッドが2つ4人部屋の上の段。足元のはしごで上り下りします。
1時間遅れでバラナシに到着した列車は、翌朝到着の予定を5時間半遅れでアグラに到着。
頭を一晩中ガタゴト振動で揺らされていたので、降りた時にフラフラ感がありましたが、意外にもぐっすり眠れて疲れをとることができました。
アグラ城とタージ・マハル
ムガル帝国の象徴アグラ城と、第5皇帝シャー・ジャハーンが亡くなった愛妃のために建てた、イスラム教の墓廟です。総大理石で左右対称(シンメトリー)として有名ですよね。
インドに侵入し征服したムガル帝国は、お墓を持たない、遺灰は川に流すヒンドゥー教徒を抑圧し、イスラム教のお墓をこれ見よがしに建設したけれど、それが現在のインドの観光目玉になっているなんて、ちょっと皮肉な話ですね。
インドの首都デリー
フマユーン廟とクトゥブミナール
イギリス人によって開発された「ニューデリー」と、ムガル帝国時代の歴史的建造物が集まる「オールドデリー」に分かれている首都デリー。
ムガル帝国第2代皇帝フマユーンの墓廟は、ムガル帝国終焉の地でもありました。
72.5m世界最高のミナレット、クトゥブミナールも必見です。
インドの父ガンジーさん
ラージ・ガートには、イギリスからの独立運動を指揮、独立に導いた「インドの父」マハトマ・ガンディーさんの慰霊碑があり、各地からたくさんの人たちがお祈りに訪れています。
ガンディーさんの誕生日10月2日はインドの祝日になっていて、命日にはヒンドゥー教だけではなく、仏教、イスラム教、キリスト教など、さまざまな宗教のお祈りが捧げられます。
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さいごに
どこで食べても私には辛いものばかりで、日本から持って行ったカロリーメイトと、あとはバナナやゆで卵を食べて、なんだかいつも空腹を感じながらの旅行でした。
食後にはいつも注文してた、温かいチャイ。お店によって微妙に味が違うんですが、甘くてほぉ~っと癒されました。
レストランでは、お客のためにトイレの扉を開けるだけの仕事の人もいて、なんだかとっても考えさせられる旅行でした。自分の常識とか当たり前がぶち壊される感じです。
もう一度行ってみたい気もするし、もう2度といいやって思う気持ちもあって、とっても複雑な思いを抱く国です。